「“バックテスト完璧EA”が通用しないワケ」
「バックテストは10年間、右肩上がりです」
「勝率は驚異の87%」
「ドローダウンもほとんどありません」
こんな言葉を目にすると、正直、胸が少し高鳴りますよね。私もそうでした。むしろ、これこそが“正解”だと信じていました。過去の相場で完璧な成績を出しているのなら、これからも同じように勝ち続けるはずだと。バックテストのグラフは、まるで未来を約束してくれている証拠のように見えたのです。
私は大学卒業後に教師になり、その後、建築業界へ転職しました。27歳で独立し、36歳で1000万円の借金を背負って倒産。すべてを失い、「もう後がない」というところまで追い込まれた経験があります。だからこそ、私は何よりも“確かなもの”を求めていました。その確かさの象徴が、バックテストだったのです。
「数字で証明されている」
「理論的に勝てる」
「感情は必要ない」
そんな言葉に、どれほど救われたかわかりません。
ところが、実際にEAを回してみると、不思議なことが起き始めました。バックテスト通りに動かないのです。むしろ、想像していたのとはまったく違う動きをする。負けるはずのない場面で負け、勝てるはずのところで伸びない。あの美しかった右肩上がりのグラフは、どこにも見当たらなくなっていました。
「おかしいな…」
「どこか設定が間違っているのかもしれない」
私はそう思い、何度も見直しました。設定をいじり、時間足を変え、通貨ペアを変え、ロットを調整し、それでも結果は安定しなかった。やがて、私は気づいてしまったのです。
バックテストは、“過去”であって、“未来”ではないという当たり前の事実に。
相場は、常に変化しています。
政治も、経済も、世界情勢も、テクノロジーも、すべてが変わります。10年前と今とでは、市場に参加する人の数も、取引のスピードも、情報量も、まったく別物です。つまり、バックテストとは「もう二度と同じ形で訪れない過去」を使ったリハーサルにすぎないのです。
それでも人はなぜ、バックテストに強く惹かれるのでしょうか。
それは、心を安心させてくれるからです。
「証拠がある」「数字がある」「失敗しないかもしれない」
人間は、本来、未来が見えないことを怖がります。だから、過去のデータに「未来への保証」を求めてしまう。でも、ここに大きな落とし穴があります。
バックテストが完璧なEAほど、「自分で考える力」を奪ってしまうのです。
私は、「このEAは優秀だから大丈夫だ」と考え、自分の判断を手放していました。相場を見ることも減り、動きに対して考えることも少なくなっていきました。そして気づけば、ただスイッチを入れて、祈るだけの状態になっていたのです。
これでは、どれだけ素晴らしいロジックであっても意味がありません。なぜなら、相場は「想定外」で動くものだからです。バックテストの中には、“想定外”は存在しません。しかし現実の相場には、常に“想定外”しかないのです。
ある日、私はひとつの言葉に出会いました。
「バックテストは、“安心”のためであって、“利益”のためではない」
まさにその通りだと思いました。バックテストは、EAの性格を知るためのものです。でも、それを「未来を保証する証拠」にしてしまった瞬間、そのEAは危険な存在に変わります。
本当に必要なのは、バックテストの結果ではなく、
**「そのEAが今の相場に合っているかどうかを見抜く力」**です。
私はそこから、視点を変えました。
・過去ではなく「今」の動きを見る
・勝率ではなく「対応力」を見る
・美しいグラフではなく「継続性」を見る
・ロジックではなく「撤退ルール」を重視する
この考え方を取り入れてから、私はようやく、自動売買と対等に向き合えるようになりました。以前のように「任せきり」ではなく、「共に歩く感覚」に変わったのです。
すると、不思議なことが起きました。
利益のカーブは、以前ほど派手ではありません。
けれど、とても安定してきたのです。
急激に増えることはなくなった代わりに、致命的に減ることもほとんどなくなりました。
そしてなにより、
「これなら続けられる」と思えるようになった。
これが、私にとって何よりも大きな変化でした。
もし今あなたが、
・バックテストの数字ばかりを見ている
・綺麗なグラフに期待している
・でも現実とのギャップに困っている
なら、どうか知ってください。
あなたが間違っているわけではありません。
ただ、「信じているもの」が、少しだけズレているだけです。
本当に信じるべきなのは、
バックテストではなく、
“今の相場で、どう生き残るか”という考え方なのです。
私は、実際に自分が使っているEAと運用ルール、そしてバックテストに頼らない判断基準を、公式LINEで共有しています。
それは、「誰でも簡単に儲かる方法」ではありません。
でも、「長く続けるための現実的な方法」です。
もし、もう一度だけ、自分の可能性を信じてみたいなら。
過去ではなく、未来に賭けたいなら。
次は、ただのデータではなく、
“考え方”で選んでみませんか。
答えは、すでにあなたの中にあります。
あとは、行動するかどうかです。

最新の投資方法について→ここをCheck!

コメント